折々の古器・辻清明・我が奔放コレクション辻清明傘寿展・炎の陶匠/辻清明作陶展・炎で語る日本のこころ/辻清明作陶展図録/山口瞳序文・4冊

折々の古器・辻清明・我が奔放コレクション辻清明傘寿展・炎の陶匠/辻清明作陶展・炎で語る日本のこころ/辻清明作陶展図録/山口瞳序文・4冊

商品説明
折々の古器・辻清明・我が奔放コレクション辻清明傘寿展・炎の陶匠/辻清明作陶展・炎で語る日本のこころ/辻清明作陶展図録/山口瞳序文・4冊

辻清明の本・図録等4冊でまとめてみました。辻清明作陶展図録はもともと何図版か不明ですが図版15枚 部数は少なそうです資料用にもいかがでしょうか。

辻清明 の含羞

山口瞳(作家)
辻清明さんの酒は豪快で知られているが、最近はこういう酒呑みが少くなっていて、文壇で言えば草野心平さん、壇一雄さんがそうだった。こういう人と酒を飲むのは無類に楽しい。河上徹太郎さんは飲みだすと、すぐに「お勘定、お勘定」と叫びだしたそうであるが、思うに酒呑みというのは急勝なものであって辻さんも例外ではない。たちまちにして何やら喚きだす。こっちはハラハラするのであるが、店の人も他の客も、たいていは笑って許してくれる。辻さんの顔を見れば危険な人物ではないことがわかるのだろう。

こういうとき、私は協さんの話を持ちだすことにしている。すると、虎が猫になってしまうから妙である。「菱型に凝っていたのが、このごろは六角形 になって、うん、なかなか勁いよ」なんてことを言いだすのである、ぬけぬ けと―。そのときの含羞にみちた辻さんの顔を見るのが面白いと言えば面 白い。可愛らしいと言ってもいいかもしれない。

「私は門外漢であるが、辻さんの大きな作品を見るのが好きだ。釜のような 火鉢のような、あるいは鐘のような、何に使うのかわからない、茫洋とした おおらかな陶器がある。壺でもそうだ。辻さんの場合、特に大きなものが好 きだ。それは、むろん、辻さんのなみなみならぬ力量を示すものであるが、 彼の人柄がそこにあらわれているように思われる。こういう豊かな感じのす る陶芸作家を私は他に知らない。陶芸というのは、あるところまでは偶然性 に頼らざるをえない芸術であるが、結果からすると、そこに作者の人間性が クッキリとあらわれてしまうのに驚かされる。品性があらわれてしまう。

辻さんの人柄は豪快であり駄々っ子のような一面があり、彼の作品は常に 実に豊かであるが、そのかげに繊細と含羞がにじみでているように思われて ならない。そういう奥とか裏があるので、彼の作品は見ていて飽きることが ないのだと思っている。

お探しの方、お好きな 方いかがでしょうか。

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